ジェフベックの新譜「ラウド・ヘイラー」- Jeff Beck To Release 'Loud Hailer' Album In July
2016年7月発売のジェフベックの新譜の詳細がようやくニュースで出ましたね。
自分がまずなにより一番びっくりしたのはジャケットが普通にカッコいいことです。前作のジャケットを初めて見た時のダサさの衝撃から未だに立ち直れていない自分が居ます。
で、本文にも書いてあるのですが、シンガーのRosie BonesとギタリストのCarmen Vandenbergの2人を全面的に招いて、エレクトリックレディスタジオで録音されたということ。
で。まず「この2人は一体誰なんだ?」ってとこから疑問はスタートすると思います。
実はこの2人は別々のところから招かれたわけではなく、UKでBONESというバンド一緒にやっているんです。
あんまり有名なバンドでは無いですね。Twitterのオフィシャルアカウントがフォロワー数3000ぐらい。なので、今回のアナウンスまで日本人で(そうじゃなくても?)この二人のことを知ってる人はほとんど居なかったと思います。
こんなバンド↓
BONES - PRETTY WASTE (official video)
いかにも90年代後半以降のジェフベックが好きそうなオルタナでガレージっぽい音像。これはカッコいい!というか、このトラックの上にベックのギターが乗っていてもなんの違和感もないです。
このバンドをベック先生が見て衝撃をうけたというのが今回の発端みたいです。
いつものことながらベック先生のこういう嗅覚には感心するしかないのですが、71歳になってもお変わりないようで安心しました。(ロッド・スチュワートやコージーパウエルは言うまでもなく、「YOU HAD IT COMING」でコラボしていたイモジェンヒープも当時はかなりコアな存在だったのに、今ではテイラー・スウィフトのプロデューサー/コンポーザーです!!)
こっちもかっこいい。BONES - FAT (official video)
女性ボーカルとのコラボ路線は00年以降ずーっと続けている方向性なので、それだけ耳にした時はさほど驚かなかったのですが、同じバンドからギタリストも同時に招いて、しかも単曲ではなくアルバム全体を通して同じメンバーで制作となってくると話は違ってきます。
更にプロデュースはジェフベック本人ということになっていますが、共同プロデューサーとしてBONESの2人とこれまで仕事をしてきたFilippo Cimattiが参加。というわけで実質的にはBONESサイドのプロダクションの中にジェフベックが入って制作という形かと。
実はこういうプロダクションに統一感のあるアルバムというのは、80年代以降のジェフベックのキャリアの中ではかなり珍しい。(「ギターショップ」「YOU HAD IT COMING」ぐらいでしょうか。)
つまりすごく方向性の定まったコンセプチャルなアルバムになることが期待できます。
前作の「Emotion & Commotion」は良曲が多い割には寄せ集めっぽい印象で、アルバムとしては散漫に聞こえてしまい残念な部分がありました。更にもう一枚前の「JEFF」も同じく。
ぶっちゃけその二枚のアルバムを延々ヘビロテしたっていうジェフベックファンの方はなかなか少ないのではないかと思います。自分もそうでした。
自分の勝手な想像でしか無いのですが、BONESの既存音源やFilippo Cimattiのこれまでの仕事を聞く限りだと「YOU HAD IT COMING」に近い質感のアルバムになるのではないかな~と期待してます。
延々繰り返し聞けるようなアルバムになってると良いなあ。
あと、BONESの2人がめっちゃルックスイケてるんですよね。この2人を連れて是非来日してほしい!
Carmen Vandenbergがテレキャス使ってんのもポイント高いです。
この辺りのアートワーク見てると新譜「Loud Hailer」のジャケデザインもBONESサイドのデザイナーがやってるのかな-っていう気がしますね。
あれ!久々に調べてみたらYOUHAD IT COMINGが去年リマスターされて出てたんですね!知らなかった。。。!
Trombone Shorty「Do to Me」とか「Will the circle be unbroken」とか。
Trombone Shortyのステージネームで知られるアメリカニューオリンズのトランペット、トロンボーン等マルチ楽器奏者でありプロデューサーでもあるTroy Andrewsの2011年のアルバム「For True」への参加曲。
後半のソロで弾いています。
割と普通w
00年過ぎた頃からこういうワウをねちっこく活用したソロをたまに弾いてるのですが、この音色はこういうアメリカンなトラックの上で弾いてるときが一番いいんですよね。
このタイプのソロを弾いてるジェフベックの参加音源だと2002年に発売されてるジョン・リー・フッカーの追悼盤「From Clarksdale To Heaven: Remembering John Lee Hooker」に収録されてる「Will the Circle Be Unbroken」がすごく良いです!
YOUTUBEに音源が上がっていないので、今お聞かせ出来ないのが残念ですが、これ一曲のために購入しても元が取れるぐらい良いです。(でも他の曲も割と素晴らしいのですが。)
他の収録曲はピアノに第二期ジェフ・ベック・グループ~ブロウ・バイ・ブロウ時代の盟友マックス・ミドルトンが参加していたり、もう一曲のジェフベック参加曲ではリチャードベイリーがドラムを叩いていたり、70年代中心のジェフベックリスナーにもなかなか楽しめる内容になっているのではないでしょうか。
これがジョン・リーのバージョン。
そもそも「Will the Circle Be Unbroken」はかなり有名な誰でも知ってる20世紀初頭に作曲されたメジャースケールの賛美歌で、ゴスペルやカントリーといったジャンルで歌い継がれています。そんな曲を強引にマイナースケールのブルースリフに合わせて歌うこの乱暴さ。。。こういう乱暴さにジェフベックは惹かれたのかな?と連想しています。
ちなみにみんながよく知ってる感じの「Will the Circle Be Unbroken」はこちら。
YOUTUBEで検索してみると他にも様々なバージョンのこの曲が聞けて楽しいです!
最近のメモ。
最近のメモ。
2013年にリアンライムスちゃんのアルバムに入ってるコラボ曲。あれーなんでこれ見落としてたんだろう。当時見たけど忘れちゃっただけかな。
ソロは普通に最近のジェフベックだけど、なんか時々Aメロとかで右の方から「ベックせんせー何してんの?」みたいなシャー!!!みたいな音が聞こえてきてうける。でも、ソロも結構楽しそうに弾いてていい感じです。やっぱ人のとこにゲスト参加のほうが気楽なのか。
LeAnn Rimes, Rob Thomas and Jeff Beck - Gasoline and Matches (Official Music Video)
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あとマディソン・スクエアとロイヤルアルバートホールの映像ばっかり有名な83年のARMSコンサートですが、割と忘れられてるサンフランシスコの映像を久々に見たらすごくいい。てか、ジェフベックの着てる服が新鮮だ!しましまのパンツ履いてる!!ヤン・ハマーがなんか赤いし。
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そういやアルバム出るみたいね。ホントかな-!!!
7/15発売って書いてあるのに未だにタイトルも未定で超怪しいんですけどー!
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「Jeff Beck's Top 10 Studio Guest Appearances」って記事。
ジェフベックの他のミュージシャンへのゲストスタジオ録音トップ10を紹介してる記事が出てました。
これは良記事!
Jeff Beck's Top 10 Studio Guest Appearances | GuitarWorld
結構ベックファンには知られていないToots & The Maytalsとかを抑えてあるのがナイス!プリテンダーズのLegalize Meなんかも意外と知られてないのですが、結構のびのびとベックが楽しそうに弾いててよいです。
00年代前半はあまり知られてない良セッション多し!!!
この記事で六位にランキングしてるナラダマイケルのSaint and the Rascalがリンク切れ?もしくは日本だから?どちらにせよ見れなかったので、こちらに貼ります!自分も大好きな曲です!!(アルバム全体フルでしか上がってないので35:05まで飛ばして聞いてください。)
Nerada Michael Walden - Saint and the Rascal 1976(35:05~)
あと同じテーマで自分的に今さくっと思いついたのを追加でいくつか。
Cyndi Lauper - Above The Clouds 2005
このセッションでシンディローパーと意気投合して2人でアルバム作ろうとか言ってた話があった(実際作ってた?)と思うんですが、いつも通り消滅。
控えめにわきまえたプレイをするベックですが、最近よくやってるような女子の横で弾いてるテイクよりいいと思う。
Stevie Wonder - Lookin For Another Pure Love 1972
やっぱこれよ!トーキング・ブックで一番地味な曲かも知れないですけど、このベックのソロや2コーラス目以降の裏でキャピーンキュピーン言ってるキラキラした感じ。フラれてすごい落ち込んでるけど。。みたいなスティービーの歌詞や歌とあいまってめちゃんこ感傷的な気分になります!!
ソロが始まったとこと中間でスティービーが「ヘヘッ」って笑ったり「おお、ジェフ。。。!」って言ったりするのもポイント激高!
Badger - White Lady (1974)
元イエスの人のグループ。アラン・トゥーサンのプロデュースでピアノとかオルガンも彼が弾いてるみたいです。なんとなくアメリカっぽい土臭くて懐かしい感じがするのはそのせいでしょうか。
ぶっちゃけベック自体はそんなに特筆すべきプレイはしてないんですが、曲の地味な良さとあいまって時々無性に聞きたくなるんですよね。。
Cozy Powell - Cat Moves(1981)
「なんでこれが入ってないの?」優勝候補。
ヤン・ハマーせんせーの曲、コージーのドラムの上でベックが縦横無尽に弾きまくる様ははっきり言って同時期の本人のアルバム「THERE AND BACK」よりもアゲアゲと言っても過言ではない!
ギターシンセ使ってるからかすごい特殊なギターの音が鳴ってて面白いです!中盤から終盤にかけてのギターソロの力技にはため息しか出ません。
適当に思いついたのを羅列しただけですが、こんな感じで!
今回触れませんでしたが下記のブログ記事でについてもベック参加曲のDonovanの「Barabajagal」について書いています。
ジミヘンのManic Depression
三拍子のあれです。ジミヘンのファーストにおいてすごくユニークな立ち位置に居る曲ですよね。
これ
Manic depression - Jimi Hendrix (lyrics) 投稿者 MichelleRobinson1
この曲、自分は90年代中盤にチャーさんが自身のバンドPSYCHEDELIXやジョニールイス&チャー(PINK CLOUD)のライブ等で弾いてる音源を聞いて知ったんです。
そこではもっとテンポの早い鋭いアレンジになっていて、初めて聞いた時はジミヘンの曲とも知らずとても興奮しました。
これ。
このバージョンの3:00超えぐらいのとこからのリズムが落ちてギターソロインプロみたいになる部分がすごく印象的でかっこいいのです。(裏で動いている加部さんのベースもかっこいい。。)
この部分は原曲には無いファクターなので新鮮味もあり最高ですが、これの元ネタはこのライブのほぼ一年前にリリースされたジェフベックとシールのコラボ音源にありました。
それがこちら。
テンポやグルーヴ感はジミヘンの原曲に近い雰囲気ですが、自由度の高いギターの遊ばせ方は流石。先ほど指摘した原曲にないアレンジ部分に時間がたっぷり割かれています。(2:45~)
そしてもう1バージョン避けて通れないのが1978年リリースのヤン・ハマーせんせーによるバージョンです。
おお!これはというぐらい説得力があるバージョンですよね。ソロの遊ばせ方やボーカルのガッツリした感じはシール+ベックのものにかなり影響を与えているなーと思いますし、テンポ感はチャーさんがカバーしてるバージョンにかなり近い。
おそらくチャーさんはジェフベックのバージョンの構成+ヤン・ハマーのテンポ感で、といういいとこ取りMIXしてみたという感じでしょうか。てゆうか、ジェフベックのバージョンリリースから一年経ってないのにw!!
チャーさんのそういうちゃっかりミーハーな感じはとても好きです。
(でもよく考えたらシール+ジェフベックのバージョンでドラムを叩いているジムコープリーは、チャーさん率いるPSYCHEDELIXのドラマーでしたので、もしかしたらジムさんからの提案もあったのかもしれません)
あんまりジェフベックと関係ないブログになってしまった。。。。
90年に作られたフェンダーのドキュメンタリー映像。
あまり時間がないのでメモ程度に。
90年に作られたフェンダーのドキュメンタリー映像でジェフベックがかなり大きくフューチャーされてます。その前にエイドリアン・ブリューも出てきてちらっと喋ってます。
あれ。なんか顔つきがいつもと違う気がする。。。
てゆか、この時期のテレビとかドキュメンタリー映像で挿入されるギターショップツアーのプロショット映像、マジで映像も音もちゃんとしてて最高なので、残ってるなら商品化してほしすぎる。。。。
久々ですけど超バタバタなので今日はこの辺で。
去年末発売の60’sジェフベックのドキュメンタリーDVD
去年年末に60年代のジェフ・ベックに焦点を当てたベック初のドキュメンタリー作品『A Man For All Seasons』が発売されています。
トレイラーこちら。
てゆか、このトレーラー映像はどうしてこんなに唐突に終わるのか?謎すぎ。
結局日本語字幕版のDVDとか発売されないのかな~~??英語でずっと見ています。だいたいなんとなくわかるけど、凄く面白い。
日本語字幕版出ないと日本の方はやっぱりほとんど見ようと思わないよねえ。残念。
ジェフベックはしゃべり方とか声とかからしてコミュ症感溢れてて最高。もぞもぞしゃべる。
わかりにくいジョークをかまして自分だけ笑ったりよくしてて、それもコミュ症っぽくてかわいいです。